ラグビーワールドカップ1999ウェールズ大会準決勝

1999年10月30日 土曜日

London Twickenham Stadium 収容客数82,000人(テレビ観戦)

27 - 21 Wallabies勝利

Wallabies

組織力のWallabies

8年前の1991年大会以来2大会ぶりの優勝を狙うWallabies。8年前の優勝メンバーでは、キャプテンのLOジョン・イールズ、CTBのティム・ホランジェイソン・リトルのコンビがチームを引っ張る。他にもSHジョージ・グレーガン、SOスティーブン・ラーカム、FBマシュー・バークといった名選手が揃い、組織的なディフェンスが特徴。今大会ここまで4試合戦い、失トライ数は僅か1トライのみ。外側に相手を追い込み次々とバックアップの選手が湧いてきて敵の前進を阻む鉄壁のディフェンスを誇る。

「個」の強さが際立つSPRINGBOKS

1995年大会を初出場で初優勝を飾り、未だラグビーワールドカップで負け知らずのSPRINGBOKS。当時世界一のSHといわれたユースト・ファンデル・ヴェストハイゼン。準々決勝のEngland戦で驚異の5連続DGを成功させたSOヤニー・デビア。ポジショニングに優れロングキックも安定しているFBパーシー・モンゴメリーなど、こちらも名選手がズラリと並ぶ。体格に秀でたフィットネスも強い選手揃いで、各選手が力づくで相手を止めて突破を許さない。

互いにトライを許さない死闘

WallabiesのFBマシュー・バークのキックオフで試合はスタート。SPRINGBOKSは敵陣に入ると、キックの名手SOヤニー・デビアにボールを預けてDGを狙う作戦。しかしWallabiesもキックにプレッシャーをかけてDGを決めさせない。WallabiesはSOスティーブン・ラーカムがフラットなパス出しからCTBのティム・ホランが突破、再三ラインブレークはするもののSPRINGBOKSの選手が個々の強さを発揮してトライは許さない。前半はWallabiesが4本SPRINGBOKSが2本それぞれPGを決め合い、12-6 とWallabies6点リードでハーフタイムを迎える。

Wallabiesの攻勢を個々の強さで受け止めトライを許さなかったSPRINGBOKSは、後半に入ると徐々にペースをつかむ。強い選手1人ひとりがディフェンスに当たって前に出る場面が目立ち始める。後半3分にPGを、後半11分にはDGをSOヤニー・デビアが決めて、ついに同点。ここでWallabiesはFLマット・コーベインに代えてフィジカル自慢のFLオーウェン・フィネガンを投入。フィネガンが強いボディコンタクトでチームをリードすると流れがWallabiesに戻り、後半23分、31分とFBマシュー・バークが続けてPGを決めて 18-12 と再びリードする。しかし18-12 と6点ビハインドとなったSPRINGBOKSも全く勝利を諦めない。後半35分にPGを決めて3点差に迫ると、試合終了間際にも再度SOヤニー・デビアが難しい位置からPGを決めて同点。試合は今大会初の延長戦へ突入した。

前後半10分ずつの延長戦前半3分、SPRINGBOKSがPGを決めると、すかさずWallabiesも前半6分にPGを決めて同点。試合中に降り出した雨の中、互いに一歩も譲らない強豪同士の死闘は永遠に続くかに思われた。

勝負を決めたのは、これまで膝の怪我で本調子でなかったWallabiesのSOスティーブン・ラーカムだった。延長後半4分に敵陣でボールを受けたラーカムが意表を突くDGを狙う。このDGが見事に決まり、Wallabiesが勝ち越し。続く延長後半7分にはFBマシュー・バークがPGを決めて勝負あり。雨中の死闘はついに決着した。

投稿者

ラグビー好きの食いしん坊

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