ラグビーワールドカップ2003オーストラリア大会予選プールD組最終戦
2003年11月2日日曜日
Sydney Telstra Stadium 観客数80,012人(テレビ観戦)
52 - 37 ALL BLACKS勝利
スター揃いの最強チーム
Englandと並び優勝候補と目されたALL BLACKS。SOの「キング」ことカルロス・スペンサー、WTBのジョー・ロコソコとダグ・ハウレットの最速コンビ、FLリッチー・マコウなど世界的なスターがズラリと並ぶ。華麗な展開ラグビーで観客を魅了し、ここまで3試合戦って得点229失点20と圧倒的な強さをみせてきた。強豪Walesに対しても強さを発揮できるか注目の一戦となる。
50年ぶりの勝利を狙うWales
Walesが最後にALL BLACKSに勝利したのは1953年。ここまでの予選プールではALL BLACKS同様全勝してはいるものの、Tongaに 27-20 と苦戦するなどALL BLACKSほどの強さは感じられない。加えてこの試合では、準々決勝を見据えて1軍半のメンバーを組んだと言われていた。ALL BLACKS相手にはと苦戦必至と思われるが、NZ出身の智将スティーブ・ハンセンHCはどのようななゲームプランで望むのか。後の世界的スター、WTBシェーン・ウィリアムズが若手として登場していて初々しい。
ALL BLACKSの圧勝かと思われたが…
WalesのSOスティーブン・ジョーンズのキックオフで試合はスタート。すると前半2分ALL BLACKSのWTBジョー・ロコソコがいきなりトライを決める。このままALL BLACKSのワンサイドゲームになるかと思われたが、Walesも粘る。モールやラックの密集に人を集めずボールを散らし、BKが相手のFWのタックルをかわしてゲインする戦法が上手く機能してしぶとく食い下がる。ALL BLACKSのSOカルロス・スペンサーの見事なキックパスからLOアリ・ウィリアムズのトライなど華麗なプレーで4トライを取られたが、キャプテンのFLコリン・チャービスの前半終了間際のトライなど3トライ1PGで反撃。前半は 28-24 とALL BLACKS4点リードで折り返す。
後半に入ってもWalesは粘り強く攻め、後半4分にSOスティーブン・ジョーンズがPGを決めて1点差にせまる。そして後半5分にはそれまで素晴らしいラインブレイクを見せていたWTBシェーン・ウィリアムズがトライを挙げ、ついに逆転。会場に番狂わせの予感が漂い始める。しかし後半20分を過ぎると、Walesに疲れが見え始める。ディフェンスでバックアップが薄くなり、ALL BLACKSにトライを積み重ねられていく。逆にオフェンスではBKの足が止まり得点出来なくなってしまう。終わってみれば、後半の得点はALL BLACKSが4トライ1PG、対するWalesは1トライ2PGのみ。53-37 と大差がついた。
最終的にはALL BLACKSの大勝ではあったが、後半20分までのWalesの粘りは素晴らしかった。特に170cmと小柄なWalesのWTBシェーン・ウィリアムズの相手ディフェンスを切り裂く走りは見事だった。ALL BLACKSのSOカルロス・スペンサーのパスやキックの技術、WTBジョー・ロコソコとダグ・ハウレットのスピードも見応えがあり、観ていて楽しい。