2007年10月6日土曜日
Cardiff Millennium Stadium 収容客数74,500人(テレビ観戦)
20 - 18 France勝利
圧倒的優位
ALL BLACKSは総得点309点総失点35点得失点差274点と圧倒的な強さで予選プールC組を突破。潤沢なタレントを擁するチームはその分厚い選手層で「ローテーション」と呼ばれるレギュラー巡回制を採用、用心深く万全を期して決勝トーナメントを迎えた。先発には2006年の世界最優秀選手賞受賞のFLリッチー・マコウ、万能SOダン・カーター、突破力もあるCTBルーク・マカリスターなどスタープレーヤーがずらりと並ぶ。唯一の不安材料はプール戦ではソフトな相手に大勝が続き、ノックアウト・ステージで初めて骨のある敵とぶつかる事だけだろう。1999年W杯準決勝での悪夢を払拭出来るか。
FranceはParisの開幕戦でLOS PUMASに敗れた。グループ2位を確保するも本拠地を離れざるを得ず、CardiffでよりによってALL BLACKSとの対戦。苦戦は免れない。Franceの対ALL BLACKS戦の対戦成績は過去45戦して10勝34敗1引分けと大きく負け越している。W杯だけに限ると3戦して1勝2敗。直近では99年ウェールズ大会準決勝でクリストフ・ラメゾンやクリストフ・ドミニシらの活躍で番狂わせを起こしているが、再現なるか。
気迫みなぎるFrance
試合前、ALL BLACKSは恒例のウォークライ、ハカを披露する。Franceのメンバーは、トリコロール、つまり赤、白、青のTシャツを着分けて、人間の国旗をこしらえて対峙した。なんとしてもパリへ帰る、そんな情熱がほとばしった。
前半はALL BLACKSが 13-3 とリードする。しかしALL BLACKSのCTBルーク・マカリスターがゴール前でオブストラクションの反則を犯しシンビンを受けると、Franceは同点に追いつく。SOフレデリック・ミシャラクが登場した直後の後半29分、Franceは18-18と追いつき、ゴール成功で勝ち越した。あとは、ひたすら青い壁を築き、ついに守り切る。
この試合では、ボール保持率(%)が、71対29、地域支配率(同)も63対37と、ALL BLACKSが圧倒的に優勢だった。だが、Franceのタックル数は、「299」にも及び、そのうちのミスは「15」に過ぎなかった。FLティエリー・デュソトワールは1人で38回のタックルを成功させている。
試合後、何故敗戦したのか、と敗者への残酷な質問が飛ぶ。
「なぜ負けたのか分かるくらいなら、それは解決されていただろう。これから長い時間を費やしてその理由を考え続けることになる」
マコウ主将のコメントが痛々しかった。