ラグビーワールドカップ2007フランス大会予選プールB組
2007年9月29日土曜日
Nantes Stade de la Beaujoire 収容客数38,100人(テレビ観戦)
38 - 34 Fiji 勝利
見せるかホームユニオンの意地
Walesはここまで2勝1敗勝ち点10。勝てば決勝トーナメント進出。予選リーグのWallabies戦、Canada戦で単調な戦法が世論の批判にさらされ、続くJapan戦では広くボールを動かして 72-18 と大差で勝利して評価された。SOスティーブン・ジョーンズ、CTBジェームス・フック、WTBシェーン・ウィリアムズ、FBガレス・トーマスと才能豊かなBK。FWにもLOアラン・ウィン・ジョーンズ、FLコリン・チャービス、No.8アリックス・ポパムなど強力で勤勉な働きが光る。スクラムやラインアウトでは優位に立つ。
初戦のJapan戦こそ 35-31 と苦戦したが、Wales同様、ここまでFijiも2勝1敗。勝てば第1回大会以来の決勝トーナメント進出が決まる。前戦のWallabies戦から中5日、先発メンバーを11人入れ替えてこの戦いに臨む。特にBKにはSOニッキー・リトル、CTBセレマイヤ・バイとセル・ラベニのコンビ、WTBヴィリモ二・デラサウら屈強で突破力も走力も一流のランナーが揃い、その展開力は世界屈指の能力を持つ。
Fijiの怒濤の攻撃
Fijiのラグビーは伝統的に高いフィジカルを活かし、自由奔放にボールを繋ぎトライを狙う。ほぼ全員が海外のプロリーグで活躍し、チームとしての活動が制限されるが故、個人技と恵まれた体力・走力に頼らざるを得ない。
一方のWalesは前半に一時は 3-25 とリードを許す展開となり、SOスティーブン・ジョーンズ、CTBジェームス・フックのPGも不調だったこともあり、図らずもトライの応酬の展開となった。
前半10分までは完全なWalesペース。しかし、この時間にFijiは集中力を切らさずディフェンスし、1PGの3点のみで凌ぐとその後はFijiにゲームの流れが傾く。ブレイクダウンのターンオーバーやWalesのタックルミスなどWalesのディフェンスの隙を見逃さず、あっという間に3トライ2PGで25点を重ね試合をリードする。
Fijiは前半終了直前にFLアカプシ・ケラがラフプレーでシンビンを受け、後半は数的不利で戦う事に。試合巧者のWalesはこの好機を逃さず3トライを奪って一気に逆転し 29-25 とする。
Fijiは淡泊なチームで粘りがないと良く云われるが、この日は違った。2PGを重ね再逆転するも後半32分にはWalesのFLマーティン・ウィリアムズがトライを決めて再度逆転を許す。それでも諦めないFijiは後半35分に怒濤の連続攻撃で執念のトライを挙げ、粘るWalesを振り切り、第1回大会以来20年ぶりのベスト8に進出した。