ラグビーワールドカップ2011 NZ大会 準々決勝
2011年10月8日土曜日
Oakland Eden Park 収容客数60,000人(テレビ観戦)
19 - 12 France勝利
France復調なるか
Franceは予選プールA組で、ALL BLACKSのみならず格下とみられたTongaにも衝撃の敗戦。2勝2敗の予選プールA組2位での準々決勝進出。しかし前回大会準々決勝では劣勢と予想されながらALL BLACKSに勝利した実績もあり、決勝トーナメントで復調してくるかもしれない。WTBヴァンサン・クレールはここまで5トライを挙げ決定力が高い。FWにはFLティエリー・デュソトワール主将、FLジュリアン・ボネール、No.8イマノル・アリノルドキとハードタックラーが揃う。
SOジョニー・ウィルキンソンの出来次第
2003年大会決勝で優勝を決めるDGを放つなど、ゴールデンブーツが最大の武器であるSOジョニー・ウィルキンソンだが、今大会のPG成功率は45%と絶不調。状態が上がらなければキッカーはCTBトビー・フラッドが務めることも考えられる。ちなみに、これまでのテストマッチで1,244点を挙げているウィルキンソンがこの試合で7点を獲得すれば、故障離脱したALL BLACKSのSOダン・カーターが持つ世界記録(1,250点)を更新する。
FW先発陣では、22歳のLOコートニー・ロウズをベンチに下げ、32歳のトム・パーマーを起用。NO8には、26歳のジェームズ・ハスキルではなく33歳のニック・イースターを入れるなど、ベテランの経験値にかけてきた。また、Scotland戦で左WTBを務めたデロン・アーミテージが危険なタックルで1試合の出場停止処分を受けたため、マーク・クエトーが復帰する。
フレンチ・フレアが爆発
最も優位性を作れるところへ長く正確なパスを放つALL BLACKS・SOダン・カーターとも、正確なキックで優位性を作ろうとするEngland・SOジョニー・ウィルキンソンとも、まったく異なるゲーム構築をするFranceのハーフ団。本職は共にSHのディミトリ・ヤシュビリとモルガン・パラで組んだハーフ団は、ゲインラインに近いところで素早くボールを動かし、僅かな隙間へ、トップスピードのランナーが次々と刺さってくる。タックラーに囲まれても、身体をスピンさせて突破。決して教科書には載っていないトライの取り方。同じ形では2度とできないトライの取り方。フレンチ・フレアが爆発するときは、まさしくそんなワン&オンリーが堪能できる。この日は序盤から積極的に攻撃を仕掛け、相手の出鼻をくじいた。Englandには過去2大会、準決勝で敗れており、その雪辱も果たした。
Franceは前半にリードを広げ、後半は7点差に詰め寄られたが、必死の防御でしのいだ。ティエリー・デュソトワール主将は「この試合で自分たちの本当の強さを示すことができた」と胸を張った。
過去2大会続けて決勝に進んだEnglandが、準々決勝で姿を消した。序盤にFranceの積極的な攻めを受けて後手に回った。持ち味の堅守が乱れ、後半は16点を追いかける展開に。マーティン・ジョンソン監督は「われわれが許した二つのトライはミス。Franceのような良いチームに(前半で)16点差をつけられてはいけない」と悔やんだ。
Franceは前回準優勝のEnglandに 19-12 で勝ち、5大会続けて4強入りした。