2023年9月16日土曜日
ラグビーワールドカップ2023フランス大会予選プールD組
Bordeaux Stade de Bordeaux 収容客数42,115人(テレビ観戦)
43 - 10 Samoa勝利
Japanのライバル登場
ヘッドコーチVaovasamanaia Seilala Mapusuaは、RWC2019経験者のうち9名を選出した。出場する23名は、前回のワールドカップにおいてオーストラリアの最高得点者であるChristian Leali’ifanoと他国チームでの国際試合出場経験のある3名を含む。Steven Luatuaは15試合、Lima Sopoagaは16試合にそれぞれオールブラックスとして出場している。
メンバーの内7人は、フランスのクラブでプレーしている。それぞれ、Paul Alo-Emileはスタッド・フランセ、Seilala Lamはペルピニャン、Fritz Leeはクレルモン、Tumau Manuはポー、Duncan Paia’auaはトゥーロン、Ulupano Junior Seuteniはラ・ロシェル、そしてSa Jordan Taufuaはリヨンに所属。
Leali’ifanoは、35歳と301日目に対日本戦でサモアとして初出場。9月22日に36歳を迎え、RWC 1995でのPeter FatialofaとRWC 2019でのTusi Pisiに次いで、36歳以上でラグビーワールドカップに参加するサモアで3人目のプレーヤーとなる。
見せるか不屈の闘志
ヘッドコーチのPablo Lemoineは、トゥールーズで日本に敗戦した時の先発から4名を変更。Tomás Dussaillantがフッカー、Santiago PedreroとPabo Hueteが新しい2列目の組み合わせとして、そして、José Ignacio Larenasが左ウィングとして出場する。
Tomás Dussaillantは2016年にチリ代表としてブラジルと対戦した国際舞台デビュー以来、7年来のワールドカップ初出場となる。
Inaki Ayarzは、前回の試合でのチーム内最多のラインブレイク2回とディフェンス突破6回を含む、チリとして今シーズン最多のラインブレイク(8回)とディフェンスの突破(30回)を記録している。
Marcelo Torrealbは先週の日本戦で2回のラインブレイアシストをしており、 Inaki AyarzaとMatias Garafulicがディフェンスラインを突破する為のスペースを作り出している。ボールを保持した中で、チーム内最多の17回のキャリーと、チーム内で2位となるゲインライン59メートル、そしてディフェンスの突破(3回)を記録している。
Raimundo Martinezは、日本相手にチーム最多となる11タックルとブレイクダウンでのスチール1回を決めている。彼のラックにおける運動量は、アタック中25回、ディフェンス中7回をあわせチーム内最多である32回の介入となる。
Samoaの快勝劇
サモアのキックオフで幕を開けた前半は、短めのキックオフでマイボールとしたサモアがフェーズを重ねてジリジリと攻めるなか、絶好の位置で得たペナルティでショットを選択し、これをSO(スタンドオフ)クリスチャン・リアリーファノが決め、開始4分に試合を動かす。
一方、果敢なアタックを持ち味とするチリは直後の6分、カウンターからのビッグゲインで敵陣深い位置まで入り込むと、そこからFW(フォワード)がゴリゴリと攻める展開の中で、PR(プロップ)マティアス・ディトゥスがインゴールへ飛び込みトライ。コンバージョンも決まり7-3と逆転する。
この後、サモアはシンビンで数的不利となるも、10分と14分にリアリーファノがPGを着実に決め、9-7と逆転する。一方、チリは試合序盤こそ、攻守でペナルティが目立つ試合運びをするも、次第に規律を高めていく。攻撃時は粘り強いアタックを繰り広げると、30分にCTB(センター)マティアス・ガラフリックのPGで加点し、再び優位に立った。
しかし、大舞台での経験値に勝るサモアは、36分にPGで再度逆転すると、前半ラストプレー、自陣でのスクラムからオープンサイドへと展開した攻撃で一気にトライを奪い、19-10としてハーフタイムを迎える。
いい形で前半を締め括ったサモアは後半開始直後の1分、敵陣でのラインアウトから流麗なパスワークでインゴール手前まで迫ると、最後はオフロードパスをダイビングキャッチしたSH(スクラムハーフ)ジョナサン・タウマテイネがそのままインゴールへ飛び込むアクロバティックなトライを決め、24-10とリードを広げる。
勢いに乗るサモアは再びチリのペナルティがかさみ始めるなか、7分、そして12分と、ラインアウトからモールで押し込む、全く同じ展開から立て続けにトライを奪い、36-10としてチリを突き放す。
結局、サモアは試合終了間際にもラインアウトからモールで押し込む流れでトライを決め、43-10で白星発進を遂げた。一方、2連敗のチリは残り2試合でワールドカップ初勝利を目指すことになった。