2023年9月29日金曜日
ラグビーワールドカップ2023フランス大会予選プールA組
Lyon OL Stadium 収容客数58,883人(テレビ観戦)
96 - 17 ALL BLACKS勝利
ほぼベストメンバーで臨むAB
ニュージーランドのヘッドコーチIan Fosterは、71-3で勝利したナミビア戦の先発メンバーから9人を変更し、金曜日にリヨンで行われるプールAのイタリア戦のメンバーを発表した。Ofa Tuungafasi、Nepo Laulala、Brodie Retallick、Dalton Papali’i、Ardie SaveaとBeauden Barrettのみチームに残ることとなる。
ニュージーランドの選手変更は9人中6人がバックスで、Aaron Smith、Richie Mo’unga、Mark Telea、Rieko IoaneおよびWill Jordanが先発に入り、Jordie BarrettはRWC2023で初出場となる。
フロントローでは、Codie Taylorが前回の試合を欠場してからの復帰となり、ナミビアでベンチスタートし23分プレーしたScott Barrettは、今回はスタメンで復帰する。また、Shannon FrizellはRWC2023で初出場を果たす。
オールブラックスには100試合出場記録を持つ12選手のうち、Sam Whitelock、Aaron Smith、Beauden BarrettおよびBrodie Retallickの4人が今回の試合に出場する。
交代要員として今回の試合で出場すると、Sam Whitelockにとってオールブラックス最多代表キャップ数記録を持つRichie McCawを上回る149回目の代表試合となり、世界のラグビー界で最多記録のAlun Wyn Jones (171回) に次ぐ記録となる。2010年のアイルランド戦のデビュー以来、Whitelockは148回の代表試合のうち125試合で先発出場しベンチスタートはわずか23回である。
キャプテンのArdie Saveaはオールブラックスの中で、今年行われた7回の代表試合すべてに先発で出場している唯一の選手であり、2023年の全試合に出場し17分しかベンチに下がっていない。
Dalton Papali’iは、RWC2023のオールブラックスの試合で発生したラックに、守備側のラック(14回)を含み、最も多く参加しているが(54回)いまだにペナルティを出すこともなく、ジャッカルも成功していない。
好調のItaly
イタリアのヘッドコーチKieran Crowleyは金曜日にリヨンのOLスタジアムで行われるプールAニュージーランド戦に向けてのメンバーを発表した。Dino Lamb(写真)、Stephen Varney、そしてLuca Morisiはスタートメンバーとしての起用となり、ウルグアイ戦のメンバーからは Niccolo Cannone がベンチに移り、 Alessandro Garbisi と Lorenzo Pani はメンバー外となった。
フォワード陣への唯一の変更として、Dino LambがNiccolo Cannoneの代わりにセカンドローとして出場する。彼は先発した3試合中2試合でトライを決めている。
Stephen VarneyがAlessandro Garbisiに代わってスクラムハーフを担う。フライハーフPaolo Garbisiとの組み合わせは、今年に入って6回目となる。
ナミビア戦で47分プレーしたLuca Morisiは、センターとして出場する。ローマでベンチから出場し25分プレーした2018年以来、初のオールブラックスとの対戦となる。
先週フライハーフとして先発出場したTommaso Allanはフルバックに戻り、Paolo Garbisiはセンターからフライハーフに移る。Allanは、RWC2023で一度もゴールキックを外しておらず、13回のキックの全てを決めている。イタリアの歴代ラグビーワールドカップ最高得点者であるDiego Dominguezの記録に追いつくまで、あと5点となる。
選出されたメンバーの中で、オールブラックスを相手にトライを決めたプレーヤーは未だいない。アズーリとして最後にオールブラックスの白線を越えたのは、2016年のTommaso Boniとなる。
Paolo GarbisiがRWC2023におけるキャリー(31)、ディフェンスの突破回数(7)とトライアシスト(2)においてチームの最上位となる。
ALL BLACKSが攻守に圧倒
4週目に入ったラグビーワールドカップ2023はプール戦が終盤戦を迎えようとするなか、この日のリヨンのゲームでは、ともにこれが大会3試合目となるニュージーランドとイタリアが対戦した。
やはり最初にスコアを動かしたのはオールブラックスだった。バレット3兄弟が今大会初めてスタメンで揃い踏みしたニュージーランドは6分、敵陣深い位置でのマイボールスクラムからアタックを展開するなか、アドバンテージが出ている状況でキックパスがWTB(ウィング)ウィル・ジョーダンに通りトライを決める。角度のない位置からのコンバージョンも決まり、ニュージーランドが7-0と先手を取る。
一方、ワールドカップ3度優勝のオールブラックス相手に果敢なアタッキングラグビーで挑むイタリアは、10分にFB(フルバック)トンマーゾ・アランがPG(ペナルティゴール)を決め、3点を返す。
しかし、多彩な攻撃を繰り出すニュージーランドの勢いは止まらず、17分にラインアウトからドライビングモールで一気にインゴールまで持ち込みトライを奪うと、その直後のキックオフレシーブでは、NO8(ナンバーエイト)アーディー・サヴェアの中央突破を皮切りに、FB(フルバック)ボーデン・バレットへとオフロードパスが繋がり、最後はステップでディフェンダー4、5人をかわしたWTBマーク・テレアがトライを決める。
怒涛のオフェンスを展開するオールブラックスは、22分に敵陣深い位置でのラインアウトからNO8サヴェアのラインブレークでトライを決め、早くもボーナスポイントを確定させる。
キッキングゲーム、セットピース、ブレークダウン、規律と、全ての局面で相手を凌駕するオールブラックスは、27分にもラインアウトからモールで押し込む展開を作ると、最後はSH(スクラムハーフ)アーロン・スミスが抜け出しこの試合2つ目のトライ。
アクセルを緩めないニュージーランドは34分、SO(スタンドオフ)リッチー・モウンガの巧みなパスと、それを受けたCTB(センター)ジョーディー・バレットのラインブレークから、最後はスミスがトライを奪い、前半でハットトリックを達成する。トライ量産体制に入ったオールブラックスは、前半最後のプレーでもトライを奪うと、モウンガがコンバージョンを決め、49-3としてハーフタイムを迎える。
一矢報いたいイタリアは、後半序盤からボールを蹴らずにアタックを試みる中、2度連続して敵陣深い位置でのラインアウトでスチールを許すも、8分に3度目の正直でラインアウトからオープンサイドへ展開。WTBアンジュ・カプオッソのトライに結び付ける。
しかし、大勢は変わらず、無慈悲な試合運びを見せるオールブラックは、得点を許した直後の10分にトライを奪い返すと、16分にも相手のミスにつけ込む形でトライを奪い、63-10とする。
結局、試合はその後も5トライを追加したニュージーランドが、ラストワンプレーでトライを決めたイタリアを96-17で粉砕。ベスト8進出へ弾みをつける1勝を挙げた。