2023年10月8日日曜日

ラグビーワールドカップ2023フランス大会予選プールC組予選プール最終戦

Toulouse Stade de Toulouse 収容客数33,150人

24 - 23 Portugal歴史的なW杯初勝利

4大会振りのベスト8へ

好ゲームが続いたプールCを締めくくりは、変幻自在のアタックで観客を魅了するチーム同士の対決となった。10月8日(日本時間9日午前4時)、トゥールーズのスタジアム・ド・トゥールーズで対戦するのは、フィジーと「ミニ・フィジー」と称されるポルトガルだ。フィジーは2勝1敗(勝ち点10)で現在3位だが、2位のオーストラリアが勝ち点11で全試合を終了している。フィジーはオーストラリアに勝っているため、勝ち点1以上を上げれば2位に浮上し、決勝トーナメントに進出する。

4トライをあげるか、負けても7点差以内であればボーナス点を獲得できるため、フィジーにとってハードルは高くない。ただし、ポルトガルは侮れないチームだ。元フランス代表WTBパトリス・ラジスケヘッドコーチの指導で、個人技を駆使しながら変幻自在の攻撃を仕掛けてくる。フィジーが甘い気持ちで試合に入れば痛い目にあうだろう。

フィジーのメンバーは、引き分けたジョージア戦からFWで2名、BKで4名の変更となった。身長196cm、体重120kgのLOテモ・マヤナヴァヌアはラグビーワールドカップ(RWC)初先発。6番のFLメリ・デレナランギはRWC初出場。BKではSOにヴィリモニ・ボティツを起用。ボティツは7人制フィジー代表でも活躍。フランスのトップ14カストル・オランピックに所属する。FBシレリ・マンガラは今大会初先発。このほか、SHはシミオネ・クルヴォリからフランク・ロマニ、WTBはセミ・ランドランドラに代わってフランスのラシン92所属のヴィナヤ・ハンボシが入る。フレッシュなメンバーとなった

フィジーでこれまでフル出場しているのは、キャプテンのCTBワイセア・ナヤザレヴと、今回はリザーブに入ったテティ・テラの2人だけ。FLレヴァニ・ボティア(34歳)は、2013年のポルトガル戦から残る唯一のメンバーであり、今大会も安定感あるプレーを披露している。観客を魅了するアタック合戦は見逃せない。

悲願の初勝利へ

対するポルトガルは、オーストラリア戦から先発で5名の変更だ。キャプテンを務めていたCTBトマーズ・アプレトンはリザーブに下がり、本来のキャプテンであるジョゼ・リーマがCTBに入ってキャプテンを務める。オーストラリア戦でリザーブだったPRフランシスコ・フェルナンデス、NO8ハファエル・シモンイスが先発し、LOスティーヴィ・セルケイラはジョージアとの引き分け試合以来ジョゼ・マデイラとLOコンビを組む。FBマヌエル・カルドーソ・ピントは今大会初先発だ。

両チームは2005年、2013年にポルトガルのリスボンで対戦し、いずれもフィジーが勝っている。最新の世界ランキングはフィジーが8位、ポルトガルが16位。フィジーはポルトガルが14-34で敗れたオーストラリアにも勝っており、実績でみるとポルトガルにとって厳しい戦いだが、2度目のRWCで初勝利をあげたいという意欲は強く、最後まで全力で戦い続けるだろう。ポルトガルのWTBハファエリ・ストルチは、ディフェンス突破20回を記録し、今大会20回以上を記録する3選手の一人。そのステップワーク、スピードはフィジーのディフェンダーにも脅威だ。

予選プール最終戦の熱戦

開幕から1ヶ月が経過したラグビーワールドカップ2023は、いよいよプール戦最後の試合を迎えた。トゥールーズでプールCの2位でのベスト8進出を狙うフィジーと、ワールドカップ初勝利を目指すポルトガルが対戦。

試合開始から両チーム揃って積極果敢にアタックを仕掛ける展開となった試合は、10分に動きを見せる。7点差以内の負け、もしくは4トライ以上のボーナスポイント「1」を取れば、2位が確定するフィジーは、敵陣の好位置でペナルティを獲得するとショットを選択し、これをSH(スクラムハーフ)フランク・ロマニが手堅く決めて先制に成功する。

しかし、互角の攻防を繰り広げるポルトガルは38分、敵陣でオフロードパスを連続して繋いで攻め込む展開から、好位置でペナルティを獲得すると、手堅くショットを選択し、このPG(ペナルティゴール)をSHサミュエル・マルキが決めて、試合を振り出しに戻す。その後、前半はスコアが動かず、3-3のままハーフタイムを迎える。

すると、後半序盤は一転してトライの応酬に。ポルトガルは5分、自陣からのコンテストキックをマイボールとして大きくゲインすると、タッチライン側への大きなキックパスをWTB(ウィング)ハファエリ・ストルチがキャッチしてインゴールへ飛び込みトライを奪う。

一方、フィジーは8分にカウンターの応酬からトライを奪い返す。ともにコンバージョンを決め、スコアは10-10に。直後の50分にフィジーがイエローカードで数的不利となると、ポルトガルはこのチャンスを逃さず、11分にラインアウトモールを起点にトライを奪うと、キックも決め17-10と再び優位に立つ。

しかしフィジーも28分にトライ&ゴールで追いつくと、試合終盤にかけてポルトガルのペナルティが嵩み始めるなか、34分と36分のPGで23-17とリードを広げ、4大会ぶりの決勝トーナメントへ前進する。

しかし、諦めないポルトガルは、最終盤に渾身のアタックを繰り出すと、タッチライン際のパスワークから38分にWTBホドリゴ・マルタが抜け出しトライを決める。すると、SHマルキがしびれる状況でコンバージョンを決め、ポルトガルが土壇場で24-23と逆転に成功する。

ポルトガルはラストワンプレーでマイボールを保持してこのリードを守り切り、歴史的なワールドカップ初勝利を挙げた。一方、敗戦ながら7点差以内のボーナスポイント「1」を獲得したフィジーはベスト8進出を果たし、この瞬間に史上初となるオーストラリアのプール戦敗退が決定した。

投稿者

ラグビー好きの食いしん坊

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