ラグビーワールドカップ2019日本大会開幕戦
2019年9月20日(金曜日)
予選プールA
東京・東京スタジアム 観客数45,745人
30 - 10 JAPAN 勝利
いよいよ開幕戦!JAPAN vs. Russia
ついに待ちに待ったラグビーW杯開幕!必死の思いで手に入れたプラチナチケットを握りしめラグビー好きの親友と東京スタジアムへ向かう。JRから京王線へ乗り継いで最寄り駅の飛田給駅へ。目的地に近づくにつれ、JAPANのレプリカジャージのファンが増えてくる。高揚感と連帯感がどんどん高まっていく。
自国でラグビーW杯の試合を生観戦出来る機会は滅多にない。この大会のキャッチコピーは「4年に一度じゃない。一生に一度だ。」 オリンピックやサッカーW杯と並ぶ世界3大スポーツイベントの開幕戦観戦は掛け値無しに筆者にとって一生に一度の体験になるだろう。
1987年に始まったこの大会は9回目にして初のアジアでの開催。2019年9月20日金曜日~11月2日土曜日の44日間 北海道から九州までの12都市で計48試合が行われた。参加チームは20チーム。前回大会の成績により予選免除された12チームと各地区予選を勝ち抜いた8チームにより構成される。予選は各5チームずつ4プールに分かれて総当りで上位2チームが決勝トーナメントへ。JAPANはまだ一度も決勝トーナメントへ進んだことはない。大会ベスト8に入り決勝トーナメントへ進むことがJAPANの悲願である。大会概要についてはコチラをご覧ください。
和テイスト満点の開幕セレモニー
航空自衛隊ブルーインパルスの展示飛行があり、暫く時間が空いて、荘厳な音楽とともに日本の伝統文化を随所に織り込みながら、誕生しておよそ200年に及ぶラグビーの歴史・大会の歴史・20の出場国・12の開催会場が紹介されていく。前回大会優勝チーム ALL BLACKSの元主将リッチー・マコウ氏から優勝トロフィー「ウェブ・エリス・カップ」が返還され、セレモニーはクライマックスへ。
ワールドラグビー会長ビル・ボーモント氏の挨拶の後、大会名誉総裁・秋篠宮文仁親王が開会を宣言され、ついに大会は開幕した。なにしろ開幕セレモニーをスタジアムで観たのは初めての体験。スタジアムで観ると対象が小さすぎて良く見えなかったり何が行われているか良く分からなかったりする。実際ブルーインパルスの展示飛行や市川右團次・右近親子による連獅子披露などは、家に帰って録画を観て初めて詳細を知った。美しいプロジェクションマッピングも正直に言えば解説付きのテレビ視聴の方がはるかに分かりやすい。
しかし臨場感だけはスタジアムで観戦した者だけしか味わえない。セレモニーを固唾を飲んで見守る静寂とスタジアム中に響き渡る歓声や拍手を全身で感じ、会場を埋めた45,745人の興奮や喜びを皆で共有する一体感は何物にも代えがたい経験だった。
いざキックオフ!
素晴らしい開幕セレモニーも終わり、30分後のキックオフに向けて我々観客も期待が高まって行く。良い試合を観たい、JAPANの良いプレーを観たい、何より開幕戦を勝利で飾って欲しいというJAPANファンの祈りにも似た期待が会場を包んでいく。会場を埋め尽くす観客の応援はチームの背中を押す力にも押しつぶす重圧にもなり得る。グラウンドでウォーミングアップする選手の背中からは特別な緊張感を見て取れる。近年の目覚ましいJAPANチームの成長ぶりとRussiaとの実力差を考えれば必ず勝てるはずなのだが…
太鼓の音が鳴り響き、両チームが入場してくる。整列する両チーム。両国のナショナル・アンセムが流れる。スタジアムの観客も両チームへの敬意を表し起立している。アウェイチームにもホームチーム同様に敬意が表される光景はラグビーならではの光景かもしれない。レフリーは当代一の名手ウェールズ協会のナイジェル・オーウェンズなのも嬉しい。
Russiaのキックオフで試合はスタート。両チームとも緊張からか、動きが硬いがその傾向はJAPANに顕著だ。案の定開始4分自陣からのノータッチキックから相手のハイパント、JAPANキャッチミス、こぼれ球を相手に拾われそのまま先制トライを奪われてしまう。会場中から漏れるため息…Russiaの出来が良いというより、JAPANが全くいつものプレーが出来ていない。
ぎこちないプレーが続くなか、漸くWTB松島幸太朗がトライを奪う。一進一退の戦いの中、JAPANも随所に良いプレーをみせるが、らしくない凡ミスが流れを絶ち得点が奪えない。リードを許したまま前半を終えそうな雰囲気の中再びWTB松島幸太朗がトライ。前半での逆転に成功する。
後半はJAPANのミスが劇的に減った。SO田村優のPG成功に続きFLピーター・ラプスカフニのボール奪取からの独走トライ。その後RussiaのPG1本返されたものの、SO田村優のPG成功の後WTB松島幸太朗がこの日ハットトリックとなるトライを決め勝負を決めた。結果論になるがRussiaのキック戦法は緊張のほぐれないJAPANのミスを誘い前半は有効だったが、逆に言えば他の攻め手がなく、フィジカルの落ちた後半はJAPANが順当に押し切った形だった。
スタンドではJAPANのレプリカジャージを着たファンが8割ほど埋めていた。序盤なかなか調子の上がらないJAPANにやきもきしながら、終わってみれば勝ち点4に加えボーナスポイント1も得た勝利に酔いしれた。この試合の勝利は、JAPAN悲願悲願の8強進出に向け好発進しただけでなく、大会そのものの成功のためにも重要な勝利となった。試合の詳細はコチラ。
2023年4月1日土曜日からは J SPORTS で「ラグビーワールドカップ100選!」が放送・配信予定。
2023年9月9日土曜日からは J SPORTS で「ラグビーワールドカップ2023フランス大会」が放送・配信予定。
2023年7月8日土曜日からは WOWOW で南半球4カ国対抗戦「ザ・ラグビーチャンピオンシップ」が6試合放映予定。