2003年11月22日土曜日
Sydney Telstra Stadium 観客数82,957人(テレビ観戦)
20 - 17 England 優勝
連覇を狙う開催国
大方の予想を裏切り、準決勝でALL BLACKSを 22-10 と破ったWallabies。前回のW杯優勝メンバー、SHジョージ・グレーガンやSOスティーブン・ラーカムらが健在で、新たにCTBスターリング・モートロックやFLジョージ・スミスといった若い才能も加わり、地元の大声援を受けて連覇を狙う。大型BKでゲインラインを突破していくスタイルが強豪England相手に通用するのかがポイントになる。
黄金の左足が勝負を決めるか
今大会最大のスターとなったEnglandのSOジョニー・ウィルキンソン。準決勝までの得点はキックだけで98点を記録している。敵陣に入れば利き足の左足から繰り出される正確なキックでPGやDGで得点する。その戦法を支えるのがEngland自慢の強力FW。キャプテンのLOマーティン・ジョンソンやFLリチャード・ヒル、No.8ローレンス・ダラーリオといったFW陣が体を張って密集戦を制し、敵陣でボールキープする展開に持ち込めれば、England優位の展開となりそうだ。
激しい肉弾戦を制するのは…
EnglandのSOジョニー・ウィルキンソンのキックオフで試合はスタート。先制したのはWallabies。前半6分敵陣でのスクラムからSOスティーブン・ラーカムがWTBロテ・トゥキリにキックパス。これがトライとなりWallabiesが5点を先制する。その後はEnglandが優位の展開。ラインアウトやスクラムといったセットプレーでマイボールを確保できず、BKでの突破も難しい。強力FWに自陣に攻め込まれると堪らず反則をしてしまい、EnglandのSOジョニー・ウィルキンソンに前半12分、20分、28分とPGを決められてしまう。前半39分にはEnglandのWTBジェイソン・ロビンソンにトライを許し、14-5 とEnglandリードで前半を折り返す。
後半もEnglandが押し込む場面が目立つが、地元の大声援を背にしたWallabiesが踏ん張る。疲れからか、Wallabiesの激しいプレッシャーからか、名手ウィルキンソンのDGの失敗もありEnglandは後半得点出来ない。一方Wallabiesは少ないチャンスを活かし勝負強くPGで得点を重ねる。残りワンプレーとなった後半40分ついにWallabiesのCTBエルトン・フラットレーが後半3本目のPGを決めてタイムアップ。土壇場でWallabiesがついにEnglandに追いつき、試合は今大会初の延長戦に突入する。
延長に入っても両者は互角の戦いを繰り広げ、前半2分にEnglandが、後半6分にはWallabiesがそれぞれPGを決め合う。再延長に突入かと思われた後半9分、EnglandのSOジョニー・ウィルキンソンが利き足とは逆の右足でDGを決める。最後のキックオフ獲得に望みを賭けるWallabiesだったがEnglandにボールキープされて万事休す。タッチにボールを蹴り出されWallabiesの大会連覇の夢は潰えた。