ラグビーワールドカップ2007フランス大会決勝
2007年10月20日土曜日
Saint-Denis Stade de France 収容客数81,388人(テレビ観戦)
15 - 6 SPRINGBOKS 12年振り2度目の優勝
地味だが勝負強いラグビーの母国
Englandは準々決勝でWallabiesを 12-10 で、準決勝ではFranceを 14-9 で下し勝ち上がってきた。予選プールでの苦戦ぶりから準々決勝の突破さえ危ぶまれ、予想外の決勝進出だった。戦略は極めてシンプル。スクラムで対面を圧倒するPRのアンドリュー・シェリダンら強力FWを軸にして戦い、SOジョニー・ウィルキンソンのキックで得点する。何より前回大会で「キックのみのつまらない戦法」と揶揄されながら信念を貫き、ついには優勝した経験が大きい。この試合もSPRINGBOKS優位が予想されるが、シンプルな戦法に徹したEnglandがまたもや予想を覆す事が出来るだろうか。
高い得点力のSPRINGBOKS
SPRINGBOKSは準決勝まで6戦全勝。ここまでの総得点263総失点80で得失点差163となっておりEnglandの5勝1敗総得点134総失点107得失点差27を大きく上回る。ここまで93得点のFBパーシー・モンゴメリーや8トライを挙げているブライアン・ハバナなど得点パターンは多彩で得点力が高い。チームをリードするのはヴィクター・マットフィールドとバッキース・ボタのLOコンビで、ラインアウトを支配し豊富な運動量でグラウンドのどこにでも顔を出す。密集戦にも強い。BKの決定力とラインアウトの安定性でリードするSPRINGBOKSがやや優位か。
ロースコアの緊張感
SPRINGBOKSは開始直後のラインアウトで2回連続して相手ボールを奪うが、その後はラインアウトはほぼ互角。スクラムでも大きな優劣はつかず、キックで陣地を取り合う決勝戦らしい堅い展開となる。SPRINGBOKSはFBパーシー・モンゴメリーの他にCTBフランソワ・ステイン、SOブッチ・ジェイムスらのロングキックで敵陣に入ると、モンゴメリーがPGを決めて得点を重ねる。前半7分、15分、18分とPGを3本決めたSPRINGBOKSに対し、Englandが決めたPGは1本のみ。9-3 の6点リードで前半を折り返す。
この試合の一番の山場は後半3分だった。ハーフウェイあたりからボールを受けたEnglandのCTBマシュー・テイトが見事なラインブレイクで敵陣ゴール前まで迫る。ラックから素早い球出しから最後はWTBマーク・クエイトが左隅にトライを決めたかに見えた。リプレイで見ても、トライにもノートライにも見える。TMOの末タッチラインに出たとの判定で得点ならず。直前のオフサイドが採用され、このプレーでPGを決め3点差に詰めたEnglandだったが、この判定は勝敗に大きく影響した。この後SPRINGBOKSは後半10分、22分にPGで加点。Englandは後半は1PGのみの得点に止まり、SPRINGBOKSが2度目の優勝を決めた。