ラグビーワールドカップ1995準決勝

1995年6月17日土曜日

Durban Kings Park Stadium 収容客数52,000人

19 ー 15 SPRINGBOKS勝利

SPRNGBOKS

初登場の巨人軍団

SPRINGBOKSは過去2回のW杯には出場できず、今回の第3回W杯は開催国にして初出場。アパルトヘイト政策の撤廃により1992年に8年振りに国際舞台に復帰したが、当初はパワーはあるがスピードと運動量に劣るとの評価だった。ラグビーの進化に取り残されていたが、3年間で国際レベルまでチーム力を強化し、自国開催でのW杯に向けて調整してきた。予選プールA組では前回大会覇者のWallabiesを下して1位で通過。準々決勝ではWestern Samoaに 42-14 と快勝して準決勝に進んでいる。WTBチェスター・ウィリアムズが「黒い真珠」と呼ばれ大活躍、国民的スターとなった。当然のことながらチームの国際経験は少なく、平均キャップ数は7。

フランス代表ラグビー協会のエンブレム

BKの攻撃力に勝るFrance

Franceは予選プールD組をトップ通過。準々決勝ではIrelandを下し準決勝に上がってきた。強力FWが敵陣で反則を誘いCTBティエリー・ラクロワの正確なPGで得点する一方、華麗なBKラインの攻撃力でトライを狙う。ベテランCTBフィリップ・セラ、WTBフィリップ・サンタンドレ、WTBエミール・ヌタマックらの決定力は世界屈指。W杯での経験値も高い。ちなみに平均キャップ数は24。

勝敗を左右した雨中の決戦

試合開始1時間前の嵐のような豪雨の為試合開始は1時間30分遅れた。人海戦術でグラウンドの水をかき出し試合開始にこぎ着けた。グラウンドでは芝こそ剥げててないが、場所によっては水たまりとなり、キックしたボールが跳ねずに止まる。途中からはTV画面を通してからも見えるほどの豪雨となるコンディション。華麗なパスとランニングラグビーを得意とするFranceは思い通りのプレーが出来ない。

試合はキック合戦の様相を呈するが、両チームのBKのキック処理が巧みで決定機を作らせない。FranceのFBジャン・ルック・サドルニは落ち着いている。SPRINGBOKSのFBは当時世界一と言われたアンドレ・ジュベールで、マシンのように正確にプレーする。ジュベールは左手は骨折しサポーターを付けての出場だったが、プレッシャーに強く、雨中で滑るボールを一度も落球せず、背走しても確実にキャッチする技術は素晴らしい。

キック主体の試合展開ではやはりSPRINGBOKSに分がある。この試合唯一のトライは前半26分。敵陣でのラインアウトから、ボ受けた受けたSHユースト・ファンデル・ウェストハイゼンが突進。これを契機にFWの連続攻撃を重ね最後はFLルーベン・クルーガーがトライ。SOジョエル・ストランスキーがコンバージョンキックも決める。前半2分にもPG1本を決めていたSPRINGBOKSは、Franceの得点をPG2本に押さえ、10-6 と4点リードで後半へ。

後半も土砂降りの中熱戦が続く。雨で滑りやすい状況の中、ハンドリングエラーが少なく緊張感がある。互いにPGで点を取り合い、19-15 とSPRINGBOKS4点リードで試合終了まで残り5分。Franceボールのセンタースクラムから、敵陣22mライン付近にパントが上がると、SPRINGBOKSのWTBジェームズ・リトルが落球。Franceボールのスクラムを起点にゴールラインにFLアブデラティフ・ベナジが飛び込んだかに見えたが、認められず。SPRINGBOKSが開催国の意地を見せて決勝進出を決めた。

投稿者

ラグビー好きの食いしん坊

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