1999年10月31日日曜日
London Twickenham Stadium 収容客数82,000人(テレビ観戦)
43 - 31 France勝利
常勝軍団が勝つか
ALL BLACKSの準々決勝までの戦績は4勝無敗総得点 206点 総失点 46点 トライ数26 と圧倒的な強さをみせる。楽勝続きで勝ち上がった事が唯一の不安材料。Franceには1999年6月26日にウエリントンで対戦し 54-7 と大勝していることも有利なデータとなる。チームも準決勝を勝つ事を前提としたスケジュールを組んでいて、準決勝の試合前日には決勝までの練習スケジュールを公表していた。スピード重視のチーム編成で、特にCTBクリスチャン・カレン(本職はFB)、WTBジョナ・ロムー、WTBタナ・ウマガ、FBジェフ・ウィルソンと並ぶBK陣は爆発的な得点力を誇る。
苦戦続きのFrance
Franceは準々決勝まで4勝無敗総得点 155点 総失点 78点 トライ数18 という成績での勝ち上がり。SOトーマス・カスタニェードを怪我で欠き、その他の怪我人も多く、苦戦続きで準決勝までやってきた。劣勢が予想されるが、BK陣にはスピード陣が揃う。SOクリストフ・ラメゾンのキックが冴え、WTBクリストフ・ドミニシ、WTBフィリップ・ベルナサル、CTBエミール・ヌタマックが存分に走り回る展開になれば面白い。
ALL BLACKSの油断
ALL BLACKS率いるジョン・ハートHCは智将の誉れ高く、科学的で客観的な分析力で知られる。準決勝対戦前に決勝戦までの練習スケジュールを公表したのも、決勝への決意表明だっただろう。だが策は外れ、ALL BLACKSは油断し、Franceは侮辱に奮起し、観客・マスコミの反感を買った。メンタルだけでは試合に勝てないが、メンタル無くして試合に勝つことも不可能だった。
ALL BLACKSのWTBジョナ・ロムーが後半5分にこの試合2本目のトライを奪った時点で 24-10 とALL BLACKSは14点リード。ロムーはディフェンスに4~5人いても弾き飛ばしてトライする。ロムーが走ればトライを量産出来る。ALL BLACKSの勝利は動かない。そんな流れを断ち切ったのはFranceのSOクリストフ・ラメゾンだった。ロムーのトライ直後に2本のDGを決める。これでFranceは完全に息を吹き返し追撃ムードが高まった。
Franceはその後もラメゾンのPGで得点。焦ったALL BLACKSを嘲笑うかのように、ラメゾンがディフェンスの裏にパントキックを上げると、快速BKが競り合いに勝ち次々とトライを決める。Franceがリードする展開になると、怪物WTBジョナ・ロムーの突進もタックルで阻むようになる。ALL BLACKSは後半38分にFBジェフ・ウィルソンがトライを決めるが反撃もここまで。Franceが下馬評を覆す見事な番狂わせを演じた。試合の詳細はコチラ。