ラグビーワールドカップ2007フランス大会開幕戦予選プールD組

2007年9月7日金曜日

Saint-Denis Stade de France 収容客数80,000人(テレビ観戦)

17 - 12 LOS PUMAS勝利

フランス代表ラグビー協会のエンブレム

負けられない開催国

Franceは開催国として初優勝を目指す。この年のSix Nationsを制し調子は上向き。開催国のプレッシャーをはね除け、難敵LOS PUMASを下せるか。身体能力の高いNo.8イマノル・アリノルドキ、ハードタックラーのFLレミー・マルタン、大型SOダビド・スクレラ、世界一のCTBヤニック・ジョジオン、キック力が際立つCTBダミアン・トライユ、194cmの大型WTBオレリアン・ルージュリーなど豪華なメンバーを揃えた。

充実のROS PUMAS

アルゼンチン国内にプロリーグはなく、LOS PUMASの選手殆どがフランスなど海外のプロリーグで活動する。コーチはパートタイム契約でテストマッチは年間5試合のみと取り巻く環境は厳しい。しかし個人の能力は高く、世界ランキングは5位。SOファン・マルティン・エルナンデスのキックを戦略の柱に、勤勉で結束の固いFWが効率的に仕事に励む。敵陣に入ればSHのアグスティン・ピチョット主将の巧みな球捌きを起点に決定力のあるBKでトライを狙う。FW陣には大型で機動力のある選手が揃いFranceを相手にも遜色ない。

開催国に立ちはだかるLOS PUMAS

LOS PUMASのスタイルは異質にして簡潔。言葉の本当の意味でのフットボーラーである背番号10、ファン・マルティン・エルナンデスの美しくも残忍なキックが幹にはある。宙高く蹴り上げられたパントは、枯葉が舞うように揺れながら落ちる。ディフェンス網の裏をつく低いキックは、トカゲの舌がニョロッと伸びるみたいに速度を変化させる。これまでのラグビーのキックとは次元が違う。この格別なキックを軸に、スクラムを押し、モールを前進させ、ゴツンゴツンとぶちかまし、あとは必殺のタックルに徹する。倒し切り、奪い、カウンター攻撃、またキックを重ねる。スタイルはくっきりしている。

キックオフ直後から強力FWが激しくぶつかり合い、めまぐるしく攻守が入れ替わる白熱の攻防となる。この試合唯一のトライは前半26分LOS PUMASのFBイグナシオ・コルレトが決めた。前半を終わって17-9とLOS PUMAS 8点リードで折り返す。後半に入っても一進一退の攻防が続き漸く点数が動いたのは後半19分。FranceがPGを決めて5点差に迫る。しかしスクレラに代わって入ったSOフレデリック・ミシャラクのPG失敗もありFranceは追いつけない。LOの「野獣」セバスチャン・シャバルの投入も実らず、開催国Franceはセンセーショナルな敗北を喫した。

79,312人の大観衆が集うスタジアムでは、それでも最後はFranceが勝つのだろう、と思っていた。しかし多くのベテラン選手を擁し、この大会が最後のテストマッチと覚悟して臨んだLOS PUMASの気迫が勝利をたぐり寄せた。MOMには 4PG を決めたLOS PUMASのCTBフェリペ・コンテポーミが選ばれた。

 

投稿者

ラグビー好きの食いしん坊

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