ラグビーワールドカップ1991 England大会 予選プールB組
1991年10月14日月曜日
Belfast Ravenhill Stadium 収容客数18,196人(テレビ観戦)
51 - 12 JapanがW杯初勝利
伝説のスター達
Japanの監督は宿澤広朗HC。林敏之と大八木淳史の伝説のLOコンビ、No.8はシナリ・ラトゥ、CTBには平尾誠二と朽木英次、WTB吉田義人。聞き覚えのある名前ばかりが並ぶメンバーは圧巻。
未知なる強豪
Zimbabweはアフリカ予選でコートジボワール、モロッコ、チュニジアを撃破して出場。今回のW杯予選プールB組ではIrelandには 11-55 で、Scotlandには 12-51 で敗れている。
Japan待望の初勝利
FB細川隆弘のPGで始まった試合は、18分にSH堀越正巳がスクラムサイドをもぐり、30分にWTB吉田が左タッチラインを快走した。
吉田のトライは、ダイレクトフッキングからNo.8ラトゥと堀越との「ハチキュウ(8-9)」から。トイメン(対面する相手)をずらしながらボールを受けて右手でハンドオフという得意の形だった。
いつも悔しい思いをしてきたPGを細川が安定したキックで蹴り込み、世界との対戦で苦戦を強いられてきたラインアウトも確実にマイボールにした。16対4でハーフタイムを迎えた時点で、Japanの優位は動かないものとなっていた。
後半は完全に圧倒した。
FWがモールを押し込み、BKがスピーディに展開。そのスピードと運動量はZimbabweを圧倒した。50分からWTB増保輝則、吉田、CTB朽木、FLエケロマ・ルアイウヒ、SO松尾勝博が次々とトライ。欧州の強豪がキック&アンダーで力勝負をくりひろげていた時代、Japanが披露するランニングラグビーにスタンドも沸いた。
そしてノーサイド。Japanは 52-1完勝。
吉田、朽木、増保が2本ずつ、堀越、松尾、エケロマが1本ずつ、計9トライを奪った。
9トライはこの大会の1試合での最多記録。52得点もJapanにとってもテストマッチでの最多得点記録となった。
宿澤広朗監督は「日本の戦い方はこれだと思う。パワーが足りないからといって強い選手を集めるのではなく、この戦い方にパワーを加えていくべき」と胸を張った。
キャプテンの平尾誠二も「この1勝は、僕にとっても、Japanにとっても大きな勝利。やればできる。このまま力をつけていけば(世界の強豪にも)手が届く自信になった」と充実感を語った。
1991年10月14日、Belfast Ravenhill Stadium。
出場2大会目、通算6試合目にして、Japanはワールドカップ初勝利を手にした。