ラグビーワールドカップ1999 Wales大会予選プールD組
1999年10月5日火曜日
Cardiff Millennium Stadium 収容客数80,000人(テレビ観戦)
64 - 15 Wales勝利
立て直しなるかJapan
前回大会でALL BLACKSに 17-145 の大敗を喫したJapanは、平尾誠二監督のもと、アンドリュー・マコーミックを初めての外国出身の主将に据えた。さらに前回大会ではALL BLACKSとして出場していたNo.8ジェイミー・ジョセフ、SHグレアム・バショップを代表に加える大胆な起用を断行。W杯前のパシフィックリム選手権では初めてSamoaを破るなどして初優勝を飾ったが、本大会でのSamoaはまるで別のチームだった。激しいコンタクトでペースを崩されたJapanは 9-43 とノートライに抑えられ敗戦してしまった。中3日間で臨むこの試合、開催国相手に立て直せるだろうか。
連勝を狙うWales
Walesは開幕戦でLOS PUMASに勝利し、Japan戦での連勝を狙う。BKには決定力があり、浅く広いアタックラインを敷いてSHロブ・ハウリーがスピードある長いパスを駆使してグラウンドを広く使う。SOニール・ジェンキンスの正確なキックも見どころの1つ。
キック力で圧倒
最終的に大差がついてJapanは敗れるが、Japanは局面だけ切り取ると通用する場面もあった。WTB大畑大介のトライは大会ベストトライの候補になる見事なトライだった。CTB元木由記雄は何度も素晴らしいタックルを見せた。CTBアンドリュー・マコーミックのタックルや突破はWales相手にも有効だった。
歴然とした差のある部分もあった。1つはBKのキック力とキック処理。キック力はフィジカルと技術で大きく劣る。その為国内リーグでプレイする限り、ワールドクラスの高くて距離の出るキックに触れる機会が少なく、キック処理の能力の向上もない。ハイパントをキャッチ出来ず、最後尾でのキック処理でも劣り陣取り合戦でも優位に立てなかった。
FWではラインアウト、スクラムでは明らかに劣勢だった。Japanはサイズが小さく、理論的な技術構築も遅れていた。プロ化して日々進化するラグビーに取り残されてしまっていた。
この試合でも前半はWalesのBKに展開され、ゴール前での認定トライも許し4トライを献上。後半にも4トライを取られて完敗。Walesのニール・ジェンキンスはこの試合で19点を挙げてWallabiesのSOマイケル・ライナーのテストマッチ通算記録911点に並んだ。