ラグビーワールドカップ2003オーストラリア大会 予選プールB組
2003年10月12日日曜日
Townsville Dairy Farmers Stadium 収容客数26,500人(テレビ観戦)
32 - 11 Scotland勝利
Japan出陣
ラグビ-W杯の1次リーグB組で12日、初戦を迎えるJapanとScotlandにとって、一つのかぎがFB。Japanにとっては守りのかなめ、突き放したいScotlandにとっては、ポイントゲッターとしての責任が求められる。
Japanは4大会連続出場となる松田努の経験にかける。Scotlandは伝統的にキック攻撃が少なくない。向井昭吾監督は栗原徹のスピード以上に、33歳のベテランの安定したボール処理を重視した。
松田努にとってW杯は、苦い思いの連続だった。第3回大会ではALL BLACKS戦に先発し、17-145 の記録的大敗。第4回大会は初戦のSamoa戦で負傷退場した。
「前は入れ込みすぎて失敗した。今は平常心でいられる」。年齢を重ねて得た強さを武器に、再び大舞台に挑む。
負けられないScotland
ScotlandのFBベン・ヒンシェルウッドは2002年に、初めて代表入り。2003年1月の故障で一度代表を離れたものの、W杯直前になって復帰、先発のチャンスを与えられた。
父もScotland代表WTBとして活躍。自身はオーストラリアのメルボルンで生まれ、シドニー大で学んだ。188cm、100kgとFW並みの体格ながら、父親譲りのスピードと、WTB、CTBもこなす器用さを併せ持つ。生まれ故郷での飛躍を狙う26歳のカウンター攻撃に、Japanは要注意だ。
健闘するも及ばず
Japanは前半、SO広瀬佳司のPGで9点差と食い下がった。後半15分には、ラインアウトから左オープンに展開、WTB小野沢宏時が初トライを奪って4点差まで肉薄したが、26分、35分、39分とトライを許して突き放された。
Japanは第4回大会で3戦全敗に終わると、その後に代表選手が日本ラグビー協会と専従契約を結ぶオープン化に踏み切った。03年9月には国内のレベルアップを狙って、3地域に分かれていた社会人リーグを統合したトップリーグも開幕した。
W杯イヤーはけが人が相次いで春夏のテストマッチは負けが込み、大会前の期待値は高くなかった。しかし、粘り強い防御で終盤まで伝統チームと競り合い、各国のメディアから称賛された。