2023年9月8日金曜日

ラグビーワールドカップ2023フランス大会予選プールA組

Saint-Dens Stade de France 収容客数82,000人(テレビ観戦)

27 - 13 France勝利

いきなり事実上の決勝戦

ホスト国として優勝を至上命令に強化を図ってきたフランスと、史上最多4度目の優勝を狙うニュージーランド(NZ)である。両チームはRWCで数々の名勝負を繰り広げてきた。1987年の第1回大会(NZ、オーストラリアの共同開催)、2011年のNZ大会では決勝戦で対戦。いずれもNZが勝っているが、フランスも健闘。1999年大会の準決勝、2007年大会の準々決勝ではフランスが波乱を起こした。NZがはっきりと差をつけて勝ったのは、2015年の準々決勝(62-13)だけだ。9月4日現在の世界ランキングは、フランスが3位、NZが4位。ホスト国に対してチャレンジャーの立場となったNZがどんな戦いを繰り広げるのか興味深い。

メンバーをみてるだけでワクワクする両チームの布陣だが、フランスのメディアでもNZ有利とする記事が多い。フランス代表のファビアン・ガルティエヘッドコーチもそれを認めており、「彼らはRWCの一次リーグで一度も負けたことがないのだ」とあくまでフランスが挑戦者であることを強調する。果たしてどんな結末が待っているのか。フランス大会が史上最高の面白さになることを世界に高らかに宣言する試合を期待したい。

フランス代表ラグビー協会のエンブレム

地の利を活かせるか

迎え撃つ立場のフランスは、キャプテンのSHアントワーヌ・デュポンをはじめ、豪華なメンバーが揃った。ここ数年のフランス代表の軸になっていたSOロマン・ヌタマックは怪我で大会を欠場するが、ヌタマックとポジション争いを繰り広げてきたSOマチュー・ジャリベールが10番を背負う。ジャリベール対モウンガのSO対決はみどころの一つだ。このほかのBK陣も、トライゲッターのWTBダミアン・プノー、ベテランCTBガエル・フィクー、正確なプレースキッカーであるFBトマ・ラモスら才能豊かな面々が並ぶ。ダミアン・プノーはテストマッチでは通算29トライを記録しており、あと1トライで伝説のCTBフィリップ・セラの最多トライ記録と並ぶ。

FW第一列は、2022年に代表デビューしたPRレダ・ワーディ、ジャッカルが得意なHOジュリアン・マルシャン、NZ出身のPRウィニ・アントニオ。LOは24歳のカメロン・ウォキ、203cmの長身で大学まではSOだったというチボー・フラマン。FW第3列には、2019年大会メンバーでもあるFLシャルル・オリヴォン、NO8グレゴリー・アルドリッド、国内王者トゥールーズのFLフランソワ・クロス。バックファイブ(4番から8番)は全員が190cm以上のサイズと運動量を誇る。

オールブラックス

予選プールでは未だ無敗

NZは当然のことながら、負傷者を除くベストメンバーを組んできた。注目のSOはリッチー・モウンガ。FBボーデン・バレットとのダブル司令塔でゲームを操る。インサイドCTBはアントン・レイナートブラウン、アウトサイドCTBは抜群の突破力を誇るリーコ・イオアネ。膝を痛めているジョーディー・バレットは欠場。25テストマッチで23トライという比類のない決定力を誇るWTBウィル・ジョーダンも先発だ。

キャプテンは闘志あふれるFLサム・ケイン。攻撃の核になるNO8アーディー・サヴェア、FLダルトン・パパリゥとFW第三列を形成。FL怪我のLOブロディー・レタリックは欠場するが、4度目のRWCとなるサム・ホワイトロック、仕事量豊富なスコット・バレットがLOコンビを組む。スクラム最前列は、2021年から代表入りしている25歳のPRイーサン・デグルート、3大会目となるHOコーディー・テイラー、2大会目のPRネポ・ラウララ。スクラムでもフランスに圧力をかけられるか。

開催国が堂々の勝利

ワールドカップで両チームは過去7回対戦し、フランスが2勝5敗と大きく負け越していて、特に1987年と2011年はいずれも決勝で敗れ、ニュージーランドの壁に跳ね返されてきました。

しかし、フランスは2021年に行われたテストマッチで12年ぶりにニュージーランドに勝利すると、パスで展開する伝統の戦術に加え局面によってボールを保持して攻める攻撃を身につけ、2022年のヨーロッパの強豪6か国で争う『シックスネーションズ』で優勝するなど躍進を遂げました。

試合はニュージーランドが開始早々の前半2分、フルバックで次のシーズンから日本でプレーするボーデン・バレット選手のキックパスを受けたウイングのマーク・テレア選手がトライを奪って先制しました。

一方のフランスは、トライは取れなかったものの、フルバックのトマ・ラモス選手が50メートルの長距離を含む3つのペナルティーゴールを決めて逆転し、前半を9対8でリードして折り返しました。

フランスは、後半開始直後にニュージーランドにトライを奪われ逆転されましたが、後半15分、相手のゴール前でのラインアウトから連続攻撃をしかけ、最後はウイングのダミアン・プノ選手がトライを決めてリードを奪い返しました。

その後、フランスは2つのペナルティーゴールなどで点差を広げたあと、終了間際にもトライを奪ってニュージーランドを突き放し、27対13で開幕戦を勝利で飾り、好スタートを切りました。

ニュージーランドはキャプテンのサム・ケイン選手がけがで急きょ試合のメンバーから外れるアクシデントもあり、10回目を迎えたワールドカップで1次リーグ初黒星を喫しました。

投稿者

ラグビー好きの食いしん坊

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