2023年9月17日日曜日
ラグビーワールドカップ2023フランス大会予選プールB組
Bordeaux Stade de Bordeaux 収容客数42,115人(テレビ観戦)
76 - 0 SPRINGBOKS勝利
総入れ替えでも強力メンバー
前回2019年の日本大会に続いての優勝を狙う世界ランキング2位(9月11日現在)の南アフリカ代表「スプリングボクス」にとって、今大会初戦スコットランド戦の18-3での勝利は、連覇に向けて好発進と言える試合になりました。勝ち点4を獲得し、強豪ひしめくプールBで2位につけています。
ルーマニアとの一戦は1戦目から先発15選手中14選手を入れ替えて臨みます。1戦目でFB(フルバック)として先発したダミアン・ヴィレムセ選手はSO(スタンドオフ)にコンバート。HO(フッカー)ボンギ・ムボナンビ選手はリザーブから先発へ回りゲームキャプテンを務めます。
日本の静岡ブルーレヴズで活躍中のFL(フランカー)クワッガ・スミス選手、かつて日本でプレーしたNO8(ナンバーエイト)ドウェイン・フェルミューレン選手、WTB(ウイング)マカゾレ・マピンピ選手、FB(フルバック)ウィリー・ルルー選手などおなじみのプレイヤーが今大会初先発を飾り、連勝を目指します。
ボムスコッドとしてリザーブにFW6枚入れてみたり、メンバー発表を3日前、4日前に発表したりなどと、これまでのラグビーの常識を打ち破ってきた南アフリカですが、今度は驚きのSH4人をメンバー登録という凄まじいメンバー構成をしてきました。
南アフリカのSHはみんなスピードがあり、運動神経が良いとはいえ、ウイングとスタンドオフに入れてくるとは驚きでしかありませんね。
格下相手とはいえ、やってくることが予想を上回ってきますね。
とはいえ、残念なことにマルコム・マークスが負傷によりフランス大会から去るようで、2連覇に向け赤信号が灯ってしまいましたね。
このルーマニア戦で、デオン・フーリーがどこまでできるのかをみて、追加招集を考えるのでしょうね。
自慢のフィットネスで勝負
一方「オークス」の愛称で知られる同19位のルーマニアは、今大会1戦目のアイルランド戦で82-8と完敗。立て直しを図る南アフリカ戦の中心的役割を担うのは、フィジカルやメンタルなどあらゆる面でチームの支柱として活躍するNO8クリスティ・キリカ主将です。
アイルランド戦で先制トライを含む8得点を挙げたSH(スクラムハーフ)ガブリエル・ルパヌ選手、司令塔のSOヒンクリー・ヴァオヴァサ選手、ニュージーランド出身のパワフルなCTB(センター)ジェイソン・トメイン選手らのパフォーマンスにも注目です。
ルーマニアは、アイルランドの出鼻を挫く先制トライがあり、試合を面白くしてくれるかと思いきや、さすがのアイルランドにこてんぱんにやられてしまいましたね。
初戦で攻撃力ナンバーワンといってもいいアイルランド、2戦目でディフェンス力最強の南アフリカと対戦することになるなんて、かなり可哀想なところがあります。
SPRINGBOKSの攻撃力が爆発
プールBはアイルランドが開幕2試合で勝ち点10を積み上げるなか、この試合は初戦からスタメンに大幅なターンオーバーを敢行した前回大会王者が、開始直後から無慈悲な試合運びを見せつける展開となった。
スプリングボクスのキックオフで始まった前半は、開始早々の3分にいきなりスコアが動く。南アフリカは敵陣深い位置でのスクラムから、SH(スクラムハーフ)コーバス・ライナーが単独でインゴールまで持ち込んでトライ。キックは外れるも、先制トライで幸先良いスタートを切る。
攻撃の手を緩めない南アフリカは、7分に敵陣でのラインアウトからオープンサイドへと展開し、最後はバックスでのパス交換で相手守備陣を崩し、WTB(ウィング)マカゾレ・マピンピが、早くもこの試合チーム2トライ目を決めると、9分にはライナーが自身2トライ目を奪う。
SO(スタンドオフ)ダミアン・ヴィレムセが、いずれのコンバージョンも決め、南アフリカが19-0としてルーマニアを突き放すと、12分にはそのヴィレムセが華麗なステップで敵陣を切り裂きトライ。自らコンバージョンを決め、26-0と早くも試合の趨勢を決めにかかるとともに、ボーナスポイントを確定させる。
南アフリカはその後、敵陣インゴール前での相手ボールのスクラムを押し潰す形でターンオーバーし、SHコーバスがトライを決めて、前半だけでハットトリックを達成する。一方、ルーマニアは判官贔屓のスタンドの声援を受け、トライを狙って果敢にアタックを仕掛けるも、スプリングボクスの壁を崩せず、無得点のまま前半を終える。
南アフリカが、33-0とリードして始まった後半も、スプリングボクスが相手を圧倒する流れは変わらず、キックオフから間もない後半3分に敵陣深い位置でのラインアウトから、モールで押し込んでトライを決めると、13分には、敵陣インゴール前でのマイボールのスクラムを押し込んでペナルティトライを獲得する。
この後、南アフリカは、本職はSHながら、この試合はCTB(センター)で起用されたグラント・ウィリアムズによる連続トライなどで加点し、最終的には相手を零封する76-0の圧勝で開幕2連勝を飾る。
完成度の高さを見せつけるとともに、途中出場のファフ・デクラークを本職のSHでなくSOで起用するなど、豊かなユーティリティ性も発揮した南アフリカが、次節アイルランドとのプールB最強対決へ弾みをつけた。