2023年10月1日日曜日

ラグビーワールドカップ2023フランス大会予選プールB組

Marseille Stade de Marseille 収容客数67,394人(テレビ観戦)

49 - 18 SPRINGBOKS勝利

SPRNGBOKS

ターンオーバー制で連覇へ

ラグビーワールドカップ2023はプール戦の終盤に入り、10月1日(日)はマルセイユの「スタッド・ドゥ・マルセイユ」で、プールBの南アフリカ世界ランキング3位)vs.トンガ同15位)が行われる。

大会連覇を狙う南アフリカ代表はスコットランド、ルーマニアに連勝。ボーナスポイントも獲得して臨んだ、先週のアイルランド戦では、ブレイクダウンで優位に立つことができず、8-13で敗戦。この試合がプール最終戦となり、4トライ以上の勝利で勝ち点5を得て、決勝トーナメント進出を決定させたい。

南アフリカ代表のジャック・ニーナバーHC(ヘッドコーチ)は、アイルランド代表戦からFW(フォワード)、BK(バックス)合わせて12名の先発を変更した。引き続き先発するのは、キャプテンのFL(フランカー)シヤ・コリシ、LO(ロック)エベン・エツベス、NO8(ナンバーエイト)ジャスパー・ヴィザの3人のみとなった。

FW第1列はPR(プロップ)オックス・ンチェ、ヴィンセント・コッホ、HO(フッカー)デオン・フォーリーの3人で構成。LOはエツベスとマーヴィン・オリーのコンビとなった。

前の試合でメンバー外だったドゥエイン・フェルミューレンとコリシがFLに入り、NO8ヴィザの3人でバックローを務める。なお、フェルミューレンは2018年以来、スプリングボクスでは3度目のFLでのプレーとなる。

BKは総入れ替えとなり、HOマルコム・マークス(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)の離脱により追加招集されたSO(スタンドオフ)ハンドレ・ポラードが昨年8月以来のテストマッチ復帰となり、SH(スクラムハーフ)コーバス・ライナーとハーフ団を組む。ポラードは「この試合の準備には自信がある。自分に期待するのは、自分を表現すること、そして完璧ではないことを知った上で楽しむことだ」と語った。

CTB(センター)はアンドレ・エスターハイゼンとカナン・ムーディ、WTB(ウイング)マカゾレ・マピンピとグラント・ウィリアムズ、FB(フルバック)には昨季までトヨタヴェルブリッツでプレーしたウィリー・ルルーが入った。

リザーブには、HOマルコ・ファンステーデン、PRスティーブン・キッツォフ、PRトレヴァー・ニャカネ、LO/FLフランコ・モスタート(三重ホンダヒート)、FLクワッガ・スミス(静岡ブルーレヴズ)、SHジェイデン・ヘンドリクス、SOマリー・リボック、CTBジェシー・クリエル(横浜キヤノンイーグルス)が控える。

ニーナバーHCは「とにかく勝ち点5が必要だ。ゲームプランという点では、この試合で少し違ったことを試してみて、それがうまくいくかどうか確かめるつもりだ。結果はとても重要だが、準々決勝やトーナメントに出場する機会を得るには、それを修正する必要がある。その点を修正しなければ、おそらくこの大会は長くは続かないだろう」と先を見据えた。

スプリングボクスのキャプテンとして50キャップ目となるFLコリシは「(50キャップは)正直夢にも思っていなかった。楽しかったし、友達がやっていたし、ラグビーをやっていれば悪いことは起きない」。

「私の役割は、キャプテンとして最初にプレーした試合から変わっていない。シンプルに、いいプレーをして、審判と話をするだけだ。正直なところ、今のチーム、選手たち、マネジメント陣がいなければ、私はここまでキャプテンとして長続きしなかったと思う」と話した。

フィジカルで対抗

一方のトンガ代表はアイルランド代表、スコットランド代表に敗れ連敗。勝ち点をまったく取れず、プールBの4位と厳しい状況にある。トウタイ・ケフHCは、FW1名、BK2名の3名の先発を変更した。

FWは、NO8ヴァエア・フィフィタが4試合の出場停止のため、NO8には2キャップの若いセミシ・パエアが入った。PRジークフリート・フィシオイとゲームキャプテンのベン・タメイフナ、HOパウラ・ヌガウアモが3試合連続でフロントローを構成する。LOはレヴァ・フィフィタ、サム・ラウシ、FLタンギノア・ハライフォヌアとシオネ・ハヴィリ・タリトゥイが引き続き先発する。

BKは、SHオーガスティン・プル(日野レッドドルフィンズ)と、ここまでキック成功率100%のSOウィリアム・ハヴィリのハーフ団は初戦から変わらない。CTBピタ・アーキと元オールブラックスのマラカイ・フェキトアの2人が引き続き入った。

両翼は入れ替え、WTBアフシパ・タウモエペアウがベンチに下がり、ワールドカップデビューとなるアンジェロ・ツイタヴキと、ソロモネ・カタに替わってフィネ・イニシが先発に入った。FBにはワールドカップ後に静岡ブルーレヴズでプレーするシアレ(チャールズ)・ピウタウが務める。

リザーブは他にHOサミュエル・モリ、PRタウ・コロマタンギ、ソセフォ・アピコトア、元ワラビーズのLOアダム・コールマン、朝日大学出身のFLシオネ・ヴァイラヌ、SHソナタネ・タクルア、CTBパトリック・ペレグリーニがベンチ入りした。

ケフHCは「常に世界最高の相手と自分を試したいと思っている。その機会を楽しんできた。ボールをキープし、相手にプレッシャーをかけ続けることが、これまでできていなかった。この試合は3度目の正直でベストを尽くしたい」と意気込んだ。

ゲームキャプテンのPRタメイフナは「スコットランド戦は55分までは4、5点差だったので、ティア1の国々と互角に戦えることが証明された。アイルランド代表やスコットランド代表が、もう少しボールを動かす傾向があるのに比べ、南アフリカ代表はまっすぐ、よりダイレクトに走るのが好きだ。彼らはビッグボーイだ。スクラムを中心に化学反応を起こす傾向がある」とディフェンディングチャンピオンを警戒した。

両者の対戦はわずか2回だが、いずれも南アフリカ代表が勝利している。だが、2度目の対戦となった2007年ワールドカップの対戦はフランスのランスで行われ、30-25と僅差だった。ワールドカップでは今回が2度目の対戦となる

南アフリカ代表、トンガ代表とともにフィジカルに自信があるチーム同士の激突は、現地10月1日(日)午後9:00(日本時間2日午前4:00)にキックオフされる。

盤石の試合運び

ラグビーワールドカップ2023はいよいよプール戦の終盤に入り、10月1日(日)はマルセイユの「スタッド・ドゥ・マルセイユ」で、プールBの南アフリカ代表世界ランキング3位)vs.トンガ代表同15位)が激突した。

大会連覇を狙う南アフリカ代表はアイルランドに負けたものの、最終戦でボーナスポイントを得て勝利し、優位な立場に立ちたいところ。ジャック・ニーナバーHC(ヘッドコーチ)は、アイルランド代表戦からFW(フォワード)、BK(バックス)合わせて12名の先発を変更した。

引き続き先発するのは、キャプテンとして50試合目となったFL(フランカー)シヤ・コリシ、LO(ロック)エベン・エツベス、NO8(ナンバーエイト)ジャスパー・ヴィザの3人のみとなった。

FW第1列はPR(プロップ)オックス・ンチェ、ヴィンセント・コッホ、HO(フッカー)デオン・フォーリーの3人で構成、ドゥエイン・フェルミューレンとコリシがFLに入った。

BKは総入れ替えとなり、追加招集されたSO(スタンドオフ)ハンドレ・ポラードが昨年8月以来のテストマッチ復帰となり、SH(スクラムハーフ)コーバス・ライナーとハーフ団を組んだ。WTB(ウイング)マカゾレ・マピンピ、FB(フルバック)にはウィリー・ルルーと日本でプレー経験のある2人が入った。

リザーブにもLO/FLフランコ・モスタート(三重ホンダヒート)、FLクワッガ・スミス(静岡ブルーレヴズ)と、CTBジェシー・クリエル(横浜キヤノンイーグルス)とリーグワン所属の3選手が控える。

一方のトンガ代表はアイルランド、スコットランドに敗れ連敗。勝ち点をまったく取れず、プールBの4位と厳しい状況にある。トウタイ・ケフHCは、FW1名、BK2名の3名の先発を変更した。

FWはゲームキャプテンのPRベン・タメイフナ、HOパウラ・ヌガウアモ、LOレヴァ・フィフィタらが引き続き先発。BKは、SHオーガスティン・プル(日野レッドドルフィンズ)とSOウィリアム・ハヴィリのハーフ団、CTBピタ・アーキと元オールブラックスのマラカイ・フェキトアの2人、FBにはワールドカップ後に静岡ブルーレヴズでプレーするシアレ(チャールズ)・ピウタウが務める。

リザーブは元ワラビーズのLOアダム・コールマン、朝日大学出身のFLシオネ・ヴァイラヌ、キャプテンのSHソナタネ・タクルアらが入った。

ともにフィジカルに自信があるチーム同士の激突は、序盤から激しい戦いとなった。先制したのはトンガ代表だった。PRタメイフナがボールキャリーし、相手のオフサイドを誘い、前半3分、SOハビリがPG(ペナルティゴール)を沈めて3点を先制する。

南アフリカ代表もすぐに反撃し、敵陣のモールで反則を誘うと、相手の隙を突いてSHライナーがクイックタップから右サイドに持ち込みトライ、SOポラードも難しい角度のコンバージョンキックを決めて、7-3と逆転に成功。

果敢にチャレンジするトンガ代表はその後、相手陣に攻め込む時間帯が続くが、相手のディフェンスの壁を突破することができない。すると20分、南アフリカ代表はオープンサイドハイパントキックから相手にプレッシャーをかけて、ターンオーバーに成功。CTBカナン・ムーディーが抜け出し、トライを上げて14-3。さらに32分はモールからHOフォーリーが押さえて21-3とリードを広げる。

22m内のアタック回数では負けていなかったトンガ代表は38分、モールを起点に、最後は体重151kgのPRタメイフナが左中間にねじ込んでトライ。21-8で南アフリカがリードしてハーフタイムを迎える。

後半序盤もフィジカルバトルが続き、スコアボードがなかなか動かない。ただ、総合力で勝る南アフリカ代表は、相手陣奥のラインアウトから連続攻撃を仕掛けて、9分、最後はCTBクリエルが右中間にボーナスポイントが確定する4つ目のトライ。ゴールも決まって28-8とリードを広げた。

トンガ代表も13分にFWで攻めた後に、BKで展開しWTBフィニ・イネシがトライを挙げて28-13とした。だが、南アフリカ代表も18分、相手のミスを見逃さず、ターンオーバー後、すぐにスペースに攻めてFBルルーがトライ。23分には途中出場のHOマルコ・ファンステーデンがトライし、途中出場のSOマニー・リボックがゴールを決めて42-13と勝負を決めた。

トンガ代表は途中出場のSOパトリック・ペレグリーニがトライを返したが、終了間際に南アフリカ代表も途中出場のNO8スミスが中央に飛び込みトライ。結局、7トライを重ねた南アフリカ代表が49-18で快勝し、勝ち点を15に伸ばしてプールB首位に立った。

POM(プレイヤー・オブ・ザ・マッチ)は南アフリカ代表HOフォーリーが選ばれた。「いい試合だった。タフな試合になることは予想していた。僕はキャリアの早い段階でフッカーをやっていたので、それほど悪くはなかった。今日はうまくいったし、うれしい」。

「ここ2年間、ボクスの選手たちと一緒に練習してきた。今日はその成果が出た。(試合途中で)HOからバックローに移動したのはかなり大変だった。でも年の割にはいい仕事ができたんじゃないかと思う」と振り返った。

3連敗となってしまったトンガ代表のケフHCは「試合前に私たちが強調したことのひとつは、誰もが誇りに思うようなパフォーマンスをすることだった。(強い相手とプレーすること)それがラグビーというものだ。いつだってベストの相手とプレーしたい。だから、今日はみんなにとって素晴らしい経験になった」。

「BK陣が我々の強みだし、FW陣もとても好調だ。どんどん良くなっている。来週が最高のパフォーマンスになると本当に信じている」と最終のルーマニア代表戦を見据えた。

自らトライも取ったゲームキャプテンのPRタメイフナも「ハードな戦いだった。このチームには多くのタレントがいるわけではないが、このタフなトーナメントに参加し、あのようなパフォーマンスを見せることができた」。

「南アフリカは世界最高で、相手と同じようなフィジカルな戦い方をしないといけない。もっと長いフェイズにそれをやっていれば、結果を出せていたかもしれない。でも、私は選手たちを誇りに思う。観客は本当に素晴らしかった。みんなに感謝したい。しっかりリカバリーして、来週に臨みたい」と前を向いた。

プール戦4試合を終え、準々決勝進出へ大きく近づいた南アフリカ代表のニーナバーHCは「トンガは、何もないところから何かを生み出すことができる。なぜなら、彼らの多くはニュージーランドやオーストラリア代表としてプレーした経験があるからだ。彼らはトップレベルのラグビーがどういうものかを理解している」と試合を振り返った。

決勝トーナメント進出はまだ確定していないが、「(準々決勝進出はアイルランドとスコットランドの結果を)待つしかない。2019年も早々にプール戦を戦い終えて同じような状況にあった。その時も日本代表との準々決勝の前に12、3日あったような気がする」。

「さらに来週にならないと対戦相手も決まらない。なので、まずは選手たちに数日のオフを与えて、メンタル面でもリカバリーして、それからトレーニングを再開する」と語った。

キャプテンFLコリシは「タフでフィジカルなトンガが簡単に勝たせてくれないことはわかっていた。自分たちはいくつかミスはあったが、最後まで戦い抜いた。コーチ陣もよく準備してくれた。自分たちの仕事とプランに忠実な選手たちに拍手を送りたい。タイトに戦い、前進したボーナスポイントも取れたし、今日はできるだけ多くの勝点を取れた」とチームメイトを称えた。

トンガ代表は10月8日(日)に、リールでルーマニア代表とプール最終戦を戦い、今大会初勝利を目指す。一方の南アフリカはプールステージの戦いを終え、7日(土)アイルランドとスコットランドの結果次第でベスト8進出が確定する。

投稿者

ラグビー好きの食いしん坊

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