2023年10月5日木曜日
ラグビーワールドカップ2023フランス大会予選プールA組
Lyon OL Stadium 収容客数58,883人(テレビ観戦)
73 - 0 ALL BLACKS勝利
分厚い選手層
ニュージーランドのヘッドコーチIan Fosterは10月5日(木)にリヨンのOLスタジアムで行われるウルグアイ戦のスコッドを発表した。
木曜日にリヨンで行われるプールA最終戦のウルグアイ戦に、96 – 17で勝利したイタリア戦にベンチから出場し、腰の怪我から復活したたニュージーランドのSam Caneが、チームを率いるキャプテンとして復帰する。
ヘッドコーチのIan Fosterはイタリア戦に96 – 17で勝利した時の先発メンバーから、フォワード5人、バックス4人の計9人の変更を加えた。Ofa Tu’ungafasi、Codie Taylor、Shannon Frizell、Richie Mo’unga、Jordie Barrett、Will Jordanのみが定位置に残る。
Sam Caneは、先週ベンチから20分間の出場を経て、RWC2023にて初めてオールブラックスのキャプテンを担うことになる。初めてチームを率いたのはRWC2015のナミビア戦で、その後2020年にKieran Readの後任としてキャプテンに就任した。
Cam Roigardは、ナミビア戦に66分間出場したのに続き、RWC2023で2回目の先発出場となる。Richie Mo’ungaとハーフバック団として先発するのは初めとなる。前回のイタリア戦では、ベンチから31分間出場し、2トライをアシストした。
もしベンチから起用されれば、Ethan BlackadderはRWCデビュー戦となる。彼の父であるTodd Blackadderは1998年から2000年の間にオールブラックスで12回のテストマッチ出場を果たしているが、RWC1999の選考に外れた為、ラグビーワールドカップでのプレー経験はない。
Damian McKenzieは2021年11月のイタリア戦以来となるフルバックで先発出場する。 彼の過去5回のテストキャップはフライハーフか、ベンチからの出場だった。
Sam Whitelockは150回目のテストマッチ出場となる。 彼はテストマッチへの最多出場選手として、ウェールズのレジェンドAlun Wyn Jones(171回)の次につく。 今回がラグビーワールドカップでの23試合目となり、イングランドのJason LeonardとニュージーランドのRichie McCawを抜き、歴代出場記録を更新することになる。
この試合で勝利すれば、彼は選手別のラグビーワールドカップ勝利数でRichie McCawを上回ることになる。両者は20勝で並んでいる。
どこまで食い下がるか
ウルグアイのヘッドコーチ Esteban Menesesは、木曜日リヨンのOLスタジアムで行われるニュージーランド戦のメンバー23人を発表し、ナミビア戦の先発15人からフルバックで復帰する経験豊富なRodrigo Silvaを含む7人を変更した。
Lucas BianchiおよびManuel Dianaは、バックローでManuel Ardaoに加わり、BianchiはRWC2023で初めての先発となる。
Tomás Inciarteはセンターに復帰し、RWC2023でキャプテンのAndrés Vilasecaと組むのは3回目である。
Gastón Mieres はBautista Bassoに代わって右ウイングに入り、フルバックのBaltazar Amayaに代わって入るRodrigo SilvaはRWC2023初出場を果たす。
Manuel Ardaoは、大会最高となる32回の守備側のラックに参加し、スティールの成功回数は最多数(6回) を記録、4番目に多いペナルティーを奪う(2回)など、RWC2023のブレイクダウンで最も危険なプレーヤーとなっている。
Manuel Leindekarは、RWC2023の全試合すべての時間に出場している唯一のウルグアイ人プレーヤーである。
Felipe Etcheverryは、ウルグアイが挙げた9トライの内、5回のアシストを決めている。彼は、Santiago Arataとともに先発するが、これは、RWC2023でこれまでの全試合で同じハーフバックの組み合わせとして出場している4つのチームのうちの1つとなる。
ALL BLACKSが攻守に圧倒
5週目に入ったラグビーワールドカップ2023は、プール戦が最終局面に突入。この日、リヨンでのナイトゲームでは、これがテストマッチ初顔合わせとなるニュージーランドとウルグアイが対戦した。
前半序盤は、プール最終戦でようやく今大会初めてファーストジャージを着用したウルグアイが健闘し、ピッチ上に一進一退の攻防が繰り広げられるなか、スコアの動かない展開が続く。
前節から9人スタメンを入れ替えたオールブラックスは8分、敵陣10mライン付近でのジャッカルから、カウンターを繰り出すと、最後はSH(スクラムハーフ)キャム・ロイガードがインゴールへ飛び込むも、ゴールライン直前でノックオンと判定され、ノートライに。
一方、ウルグアイは12分過ぎに目まぐるしく攻守が入れ替わる展開となるなか、タッチライン際の突破から最後はFL(フランカー)マヌエル・アルダオがトライを決めたかに見えたが、これはタッチラインを割っており、ノートライに。
試合が動いたのは20分。ニュージーランドは敵陣深い位置でのマイボールスクラムから、BK(バックス)へ展開し、FB(フルバック)ダミアン・マッケンジーがトライを決め、ようやく先制点を挙げる。
SO(スタンドオフ)リッチー・モウンガのコンバージョンも決まり、ニュージーランドが7-0とすると、25分には、全く同じような展開からSOモウンガがトライとキックを決め、14-0とリードを広げる。
ウルグアイは27分過ぎから、敵陣深い位置で立て続けにラインアウトやスクラムなどのセットピースで得点機を作るも、オールブラックスの牙城を崩せずこの局面を無得点で終える。
すると33分、ニュージーランドはFBマッケンジーがタッチライン際で鮮やかなキックパスを自ら捕球しつつ、ワンハンドパスをWTB(ウィング)ウィル・ジョーダンへと繋げると、そのままジョーダンがインゴールへ持ち込みトライ。コンバージョンも決まり、勝利+ボーナスポイント獲得でベスト8進出が決まるニュージーランドが、そのボーナスポイントにリーチをかける。
攻撃の手を緩めないオールブラックスは38分にSHロイガードのトライで加点し、ボーナスポイントを確定させると、そのまま26-0とリードし、ハーフタイムを迎える。
後半に入ってもニュージーランドがゲームを支配する状況は変わらず、オールブラックスは5分、9分と、厚みのある鮮やかなパス回しをトライに繋げると、13分にはゴールライン付近でフェーズを重ねる展開から最後はマッケンジーがインゴールに飛び込みトライ。コンバージョンも決まり、この時点で45-0として勝利を決定付ける。
この後、ニュージーランドはお家芸の巧みなパスワークやFW(フォワード)で押し込む力技など、変幻自在の攻撃で4トライを加え、最終的には73-0として、圧倒的勝利で準々決勝進出を決めた。